グリーフケア

大切な人を亡くした悲しみから立ち直るには、悲嘆のプロセスに沿って、自身の気持ちを整理したり、周囲から継続的なサポートを受けることが大切です。

大切な人を亡くした悲しみは心、身体、行動・認知にさまざまな症状・反応をもたらします。以下のような症状・反応を自覚している場合は、周囲にサポートを求めることを考えましょう。

• 【心の症状】
  罪責感、思慕の情、自責の念、悲しみ、寂しさ、自尊心の欠如、絶望感、非現実感、憂鬱、不安、怒り、敵意、幻覚、疑い深さなど
• 【身体の症状】
  睡眠障害、食欲喪失、呼吸障害、疲労感、気力喪失、のどの緊張感、頭痛・嘔吐・消化不良・動悸などの身体的愁訴、故人と同じ症状の出現、アルコールや薬の依存など
• 【行動・認知に現れる反応】
  号泣、注意力の低下、行動パターンの喪失、故人の行動の模倣など
• 【認知的反応】
  思考・判断速度の低下、集中力の欠如　など

葬儀には、非日常的な儀式を通じて死を現実として受け入れやすくする意味があります。感情を表に出しても良い空間であり、故人に縁のある人たちが集まることで、思い出話を語り合ったりと遺族は故人を偲びながら、悲しみを共有し、支えられていることを実感する場でもあります。

日本の仏教では宗派による違いがありますが、葬儀が終わってからも法要が続きます。特に初期の四十九までの忌中法要は、精神的に一番不安定な時期に、法要を通じて亡き人と向き合い近しい家族だけが集まることが多く、思い出を共有しながらお互いの正直な気持ちを確認しあい、支え合う場となります。