葬儀の知識

新盆とは

2023/7/19作成

2024/6/29更新

新盆とは、故人が亡くなってから四十九日以降に初めて迎えるお盆のことです。地域によって呼び方が異なり、関東では新盆、関西では初盆と呼ばれます。新盆は通常のお盆よりも丁寧に行われることが多く、親族や故人の親しかった友人、僧侶を招いて法要を行い会食の場を設けます。 新盆の時期は、多くの地域で8月13日~16日に行う8月盆が一般的ですが、東京など関東の一部では7月13日~16日にお盆を行います。

目 次

盆飾りの種類

・精霊棚(しょうりょうだな)

帰ってきた故人の霊を祭るための祭壇です。一般的には仏壇の前に真菰(まこも)のゴザを敷き、その上に台を置いて位牌やお供え物を飾り、周りに盆提灯を飾ります。地域によっては、精霊棚の下に供物を置いて餓鬼と呼ばれる無縁仏を祀るところもあり、餓鬼に施しを行うことで自身の徳を積むという意味があります。

 

・白提灯

故人の霊が迷わないように目印として提灯を玄関先に飾ります。新盆の時のみ純粋な心で故人を迎えるという意味で白い提灯を吊るします。

 

・精霊馬と精霊牛

キュウリとナスに短くした割りばしで足を付けて馬や牛を象ったものです。故人が早くあの世から来てくれるようにお供えするのが精霊馬で、故人がゆっくりあの世に戻れるようにお供えするのが精霊牛です。

お供え物の種類

お盆のお供え物は線香や花、蝋燭などの消耗品が定番です。花をお供えする場合は、淡い色でまとめるのが一般的です。トゲのある花や日持ちしない花は避けましょう。

その他には、果物や日持ちするお菓子、缶詰の詰め合わせなどお盆が終わった後に遺族が食べられるものが人気です。しかし、肉や魚などの生もの、鰹節や昆布などお祝いの品として用いられるものはお供え物に適していません。

新盆の流れ

1.準備

・僧侶に連絡し、読経の依頼と会食の案内をします。お盆の時期は僧侶が非常に忙しくなるため、なるべく早く予定を押さえておきましょう。

・盆飾り、精霊棚、お供え物の準備をします。

・故人と親しかった方を招待する場合、葬儀の参列者名簿を参考に案内状を送り、出欠の確認を取ります。

・参列する人数が決まったら会食用の料理の手配をします。仕出し弁当や料亭を予約するケースが多いです。

 

2.迎え盆(13日)

仏壇の前に盆棚を飾ります。夕方になったら故人が迷わず帰ってこられるように迎え火を焚きます。地域によってはお墓の前で迎え火を焚き、提灯の灯りを目印にして故人を家まで案内しながら帰る風習があります。

 

3.中日(14,15日)

新盆法要を行い、故人の霊を供養します。まず仏壇の前に僧侶が座り、故人との血縁が近い順に前に座ります。新盆の挨拶の後に僧侶の読経へ移ります。その間に遺族から順番に焼香を行います。法要が終わったら会食を行います。この期間は線香の日を絶やさず、お供え物のお水や食べ物を毎日交換します。

 

4.送り盆(16日)

夕方に送り火を焚いて故人の霊をお見送りします。その後、盆飾りを片付けたらお盆は終了です。

新盆の返礼品

新盆で香典やお供え物をいただいた場合、お礼として返礼品を渡します。返礼品の相場はいただいた香典やお供え物の3分の1~半額程度になります。返礼品の内容は、お茶やタオル、洗剤などの消耗品が一般的です。他にも素麺やゼリーなど季節に合わせた品物が多く選ばれます。また、高額な香典をいただいた方へのお返しとして、自分で好きなものを選べるカタログギフトが人気です。返礼品には挨拶状を添えて渡します。表書きには「粗供養」「新盆志」と書きます。返礼品はできるだけ早く送るのがマナーです、香典をいただくことを想定して、事前に品物を選んでおきましょう。

新盆の際の服装

新盆は、故人にとって初めての里帰りであるため通常のお盆よりもフォーマルな服装を心掛けましょう。一般的には礼服を着て行くのがマナーですが。暑い季節なので平服で参列する人も増えています。この場合の平服は、黒や紺、グレーなど落ち着いた色のスーツやワンピースといった服装のことを指します。また、学生や子供が参列する際は制服か落ち着いた色の服を着用します。

宗教、宗派による違い

・浄土真宗では、故人は亡くなったらすぐに成仏し、成仏した後もこの世にいらっしゃるという考え方があるため、新盆の代わりに歓喜会(かんぎえ)を行い僧侶の法話を聞きながら仏様への感謝と祈りを捧げて過ごします。

 

・神道では、新盆のことを「新盆祭」と呼び、新盆と同様に迎え火や送り火を行います。祭壇にお酒や果物などを供えて先祖の霊を供養しますが、肉や魚を供物に適さないとする仏教と違い魚もお供えします。

盆飾りやお供え物の処分

・白提灯などの新盆でしか使用しない飾りは、ゴミに出すか葬儀社に引き取ってもらうなどの方法で処分します。来年以降も使用できる飾りはきれいにして保管します。

 

・精霊馬と精霊牛は故人の乗り物として使用されるため、食べずに処分します。処分方法としては土に埋めて還す、塩で清めて可燃ゴミに出すなどが挙げられます。

 

・お供え物のお菓子や果物は可能な限り親族で分け合って処分します。

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