葬儀の知識

精進落としとは?

2023/7/20作成

2024/6/29更新

精進落としとは、葬儀、火葬後の親族中心の会食のことを言います。かつては忌明けの食事のことを指していましたが、現代人の生活スタイルや時代の変化に合わせてふるまう食事の内容や目的、タイミングが大きく変わっています。

目 次

精進落としの意味

かつては故人が極楽浄土に行けるように遺族が供養するという仏教の教えにより、故人が亡くなってから四十九日までの期間は肉や魚を使わない精進料理を食べていました。四十九日の法要が終わった忌明けに遺族は絶っていた肉や魚を食べ、このときの食事を精進落としと言います。精進落としが終わると遺族は普通の食生活に戻るため、精進落としは日常に戻る区切りの意味合いを持っていました。

現代では、初七日法要の宴席で親族や僧侶などお世話になった人達をねぎらう食事のことを精進落としと言います。また、最近は火葬場から戻った際に初七日法要を終える場合(初七日繰り上げ)や、地域によっては火葬中に精進落としを行うこともあります。

精進落としの内容

精進落としの料理は、あらかじめ参加する人数が決まっているため、仕出し弁当やお膳などを人数分用意します。精進落としの内容に決まりはありませんが、伊勢海老や鯛などの祝い事を連想する食材は避けましょう。幅広い年齢の方が参加することが予想されるため、お酒やジュースなど用意する飲み物の種類にも気を付ける必要があります。料理は皆が食べやすい煮物や旬の食材を使用したものがよく選ばれます。また、葬儀会社や料亭の中には、精進落とし専用の食事を用意しているところもあります。

御膳料

精進落としでは、葬儀でお世話になる僧侶にも参加をお願いします。しかし、僧侶側の都合で参加を断る場合は、無理に引き止めず食事の代わりに御膳料を渡しましょう。御膳料の相場は5000円~1万円です。白無地の封筒に「御膳料」と表書きし、お車代と一緒に渡しましょう。

通夜振る舞いとの違い

精進落としの他にも、葬儀に関する会食として通夜の後に行う「通夜振る舞い」というものがあります。どちらも葬儀の参列者をもてなし、故人との思い出を語る会食ですが精進落としが親族や僧侶など葬儀に関わった人にふるまうのに対して通夜振る舞いは通夜の弔問客にふるまわれます。また、通夜振る舞いは参加人数の予想が難しいため、一般的に大勢で気軽に食べられるオードブルなどの大皿料理が提供されます。地域によっては通夜振る舞いの代わりに折詰などの粗供養品を渡す場合もあります。

精進落としの流れ

1開会の挨拶

精進落としの参加者がそれぞれの席に着いたら、喪主や親族代表が挨拶をします。挨拶の内容は、主に参列者への感謝と葬儀が無事に終わったことの報告です。

 

2献杯

挨拶の後、全員が飲み物を持ったら献杯を行います。代表者が献杯の発声を行い、参列者はそれに合わせて「献杯」と唱和し、グラスを軽く持ち上げます。献杯には、故人に盃を捧げるという意味があり、乾杯のようにグラスを合わせたり拍手をすることはマナー違反です。

 

3会食

献杯が終わったら1~2時間ほど会食の時間になります。会食が始まったら遺族は参列者にお酌をして回り、精進落としに参加してくれたお礼の気持ちを伝えます。

 

4閉会の挨拶

最後に喪主や親族代表がお開きの挨拶を行います。再び参列者に感謝の気持ちを伝え、その後の法要についてお知らせします。

精進落としの席でのマナー

・席順に注意する

僧侶が出席する場合は、僧侶が最上席(故人の遺骨に近い席)に座ります。その次に会社関係者、友人や知人、親族の順に座り、遺族と喪主は必ず末席(入口近くなど)に座ります。席順で迷うことが無いようにあらかじめ席次表を作成しておく、それぞれの席に名札を置くなどしてスムーズに案内できるようにしましょう。

 

・大声で騒がない

精進落としはあくまで故人を偲ぶ場です、お酒も入って和やかな雰囲気になるかもしれませんが、大声で騒いだり酔っ払い過ぎたりするのは控えましょう。

 

・忌み言葉を使わない

精進落としに参加する際は、「ますます」、「色々」などの同じ言葉を2回言う重ね言葉や「続けて」、「何度も」といった言葉は不幸が重なることを連想するため、使用するのは控えましょう。また、「死ぬ」、「亡くなる」などの直接的な表現や、「終わる」、「落ちる」などの

不吉なことを連想させる言葉も注意が必要です。

 

・故人の死に直結する話題は避ける

遺族に対して失礼となってしまうため、故人の最期の様子を話題にしたり、死因について詮索するようなことは避けましょう。大切な家族を亡くして悲しむ遺族を気遣い、生前の故人との楽しい思い出話などの明るいエピソードを心がけましょう。

精進落としを行わない場合

通常は、葬儀でお世話になった方へ感謝の気持ちを伝えるものとして精進落としを行うのが一般的です。しかし、精進落としを行わない遺族も増えています。このような場合は、葬儀の案内状に記載するなど必ず僧侶や参列者に事前に周知しましょう。その他にも、食事の代わりとして僧侶には御膳料を包み、参列者にはお弁当や返礼品を渡しましょう。

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