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0120-554-2622023/7/28作成
2024/6/29更新
湯灌(ゆかん)は、故人が亡くなった際に行われる儀式の一つで、遺体をぬるま湯で洗い清めることを指します。湯灌は日本で古くから行われてきた風習ですが、現代では主にエンゼルケアの一種として行われます。以下では、湯灌を行う意味や内容、歴史的な背景、そして現代における湯灌について詳しく解説します。
目 次
湯灌の主な目的は、故人があの世へ旅立つ準備と、遺体を清潔にすることです。生まれたばかりの赤ちゃんが産湯につかるのと同じように、遺体をぬるま湯で洗うことで魂を洗浄し、きれいな状態であの世に旅立つ手助けをします。また、亡くなった瞬間から遺体の腐敗が始まるため、皮膚の変色や体液が漏れ出るのを防ぐために、遺体の汚れを落としてきれいな状態を保つという意味合いもあります。
湯灌はよくエンバーミングと混同されることがありますが、湯灌が遺体を洗浄することで現世の穢れや悩みを払うという宗教的なものであるのに対し、エンバーミングは遺体を修復または長期保存するための処置であり、穢れを払うという意味は持っていません。
湯灌は主に葬儀場か自宅で行われ、自宅で行う際は専用の浴槽を持ち込むのが一般的です。以下は一般的な湯灌の儀式の内容ですが、地域によって異なる場合があります。
1.準備
浴槽の準備をしている間に遺体の死後硬直を緩和するために関節をマッサージします。湯灌の際には、水にお湯を足してぬるく調節したものを使用します。これは「逆さ水」と呼ばれ、通常とは逆の順番に物事を行うことで、生者と死者の世界を分ける意味があります。準備が終わったら遺体をタオルで隠しながら浴槽まで運びます。
2.遺体の洗浄
湯灌師が湯灌の儀について説明を終えると、シャワーを使用して遺体を左足から洗浄します。このとき顔剃りや洗髪、洗顔も一緒に済ませます。また、遺族が希望すれば、参加することも可能です。その場合は足元から胸元へ向かって遺族が交代でお湯をかけます。湯灌に使用した水は、かつては日に当てるのを避けていたため現在も湯灌業者が回収して廃棄することが多いです。
3.着替え
遺体の洗浄が終わったら、髪を乾かして服を着せます。白装束を着せるのが一般的ですが、故人が生前気に入っていた服を着せることもできます。遺体の顔色が悪い場合、化粧を施して生前の顔に近い状態にします。このとき、故人が生前愛用していた化粧品を使用することもあります。
4.納棺
遺体を棺桶に納めます。このとき、故人が好きだったものや思い出の品を副葬品として入れることも可能ですが、眼鏡や入れ歯など火葬に影響が出る物を入れるのは避けましょう。また、納棺の前に故人の喉を潤すことで安らかな旅立ちを願う末期の水という儀式を行う場合があります。
・湯灌に立ち会う人物
湯灌は故人を裸にする行為でありプライバシーを守るためにも、立ち会うのは基本的に遺族や近しい親族など限られた人のみです。親族以外の方が立ち合いを希望した場合は、断っても失礼にはなりません。
・子供が立ち会う場合
子供が立ち会う場合は作業の邪魔をしないように注意を払いましょう。また、親しかった人の遺体を見てショックを受ける可能性があるため、子供に寄り添ってあげることが大切です。
・立ち会う際の服装
平服を着用するのが一般的です。男性の場合は黒や紺色など暗い色のスーツに白シャツを着用し、ネクタイやベルトなどの小物も暗い色のシンプルなものを合わせます。女性の場合は、暗い色のワンピースやアンサンブルを着用し、装飾品は派手な物を避けて、パールの
アクセサリーを身に着けます。また、遠方から来た場合や通夜まで時間がない場合は喪服のままでも問題ありません。
湯灌の儀式は古くから行われており、その起源は古代インドにさかのぼることができます。古代インドでは国王が即位する際に海水を集めて頭にかける灌頂(かんじょう)の儀式が行われていました。やがて日本に伝わり、平安時代に入ると納棺前の遺体に水をかける現代の湯灌の形が作られました。江戸時代には、湯灌は全国で行われており、「湯灌に使用した水は床の下に捨てる」「湯灌をする際は柄杓を左手で持つ」など地域によって独自の習慣が作られました。
現代は、遺族だけで湯灌をすることはほとんど無く、専門の湯灌師に依頼して遺族がそれに立ち会うケースが増えています。また、湯灌を行う代わりに遺体をアルコールで簡易的に清拭する場合もあります。しかし、遺体をぬるま湯に入れることでかえって腐敗を早めてしまう、故人の裸を人前に晒したくないなどの理由で湯灌を断る方もいます。湯灌は死者の冥福を祈るための儀式です。現代では必ずしなければいけない儀式ではありませんが、故人の姿を整え、きれいな状態で送ってあげたいという遺族のいたわりや感謝の気持ちを示す重要な儀式です。
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