葬儀の知識

葬儀の「樒(しきみ)」とは?読み方や関西でのしきたりを解説

2024/7/17作成

2024/7/17更新

皆様は、葬儀に使われる「樒(しきみ)」という植物をご存知でしょうか?関西や西日本の葬儀には欠かせない樒ですが、東日本にお住まいの皆様は、聞いたことがない・よく分からないという方が多いかもしれません。 関西や西日本の親戚・知人の葬儀に際し、「自分が樒を使って何かするのか」「供花や花輪のように事前に準備することはあるのだろうか」など、心配している方もいらっしゃるのではないでしょうか。 そこで今回は、樒とはどういう植物なのか、関西の葬儀や供養でどのように使われるのかを解説します。

目 次

樒の読み方は「しきみ」または「しきび」

 

樒は「しきみ」や「しきび」と読み、仏式の葬儀などで使われる植物です。一年中きれいな緑の葉を保つ常緑植物で、春に花を咲かせ秋には実をつけます。

 

水を張った花瓶に刺しておくと約1ヶ月も日持ちし、その水も腐らせない不思議な力を持っているとされる樒は、仏事では欠かせないものとなっています。

 

一説によると、昔は季節もののため冬に手に入れることが困難だった花の代わりに、真冬でもきれいな緑色の葉を保つ樒が仏事で使われるようになったということです。

 

樒は非常に香りが強く、邪気を払ったり故人を悪霊から守ったりするとされてきました。その独特な香りから、抹香(お焼香で使われる粉末状のお香)やお線香の原料にも使われています。

 

このように、とても美しい緑色を持ち強い香りを放つ樒ですが、実は花から根まで全ての部分に毒が含まれているのです。特に実を食べると危険なため、庭植えをする場合にはペットやお子様の誤食にも十分注意が必要です。

 

「しきみ」という名前の由来ついては諸説ありますが、

・四季を通して枯れずに葉をつけることから「四季美」

・敷き詰めるほどのたくさんの実をつけることから「敷き実」

・毒性を持つことから「悪しき実」が転じて「しき実」

 

といわれています。

 

では、「樒」という漢字の由来はどうでしょうか。

 

平安時代に真言宗の開祖である空海が、極楽浄土に咲く青蓮華(しょうれんげ)に似ているとされる樒を用いて密教の修行をしていたといわれています。

 

このことから、樒に「密」という字が使われているのは密教が由来しているという説があります。

樒と榊(さかき)の違い

さて、関西では馴染みのある樒と混同される榊。どちらも年じゅう美しい緑色の葉をつけているため、違いがわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

仏式の葬儀で使われるのが樒神式の葬儀で用いられるのが榊です。木へんに「神」という字が入っている方が「榊」と覚えるとわかりやすいですね。

 

仏式でのお焼香神式での玉串奉奠にあたり、この玉串奉奠で欠かせないのが榊です。

 

樒と榊の違いを表で紹介します。

どちらも一年じゅう綺麗な緑色の葉をつけていますが、このようによく見ると葉のつき方や枝ぶりなどの見た目が異なります香りがあるかないかでも見分けられるでしょう。

 

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樒は関西地方の葬儀や供養でおもに使われる

 

関西地方では樒をどのように用いているのでしょうか。葬儀と供養のそれぞれの場面で樒の使われ方を紹介します。

 

・葬儀での使われ方

関西地方では、葬儀に樒を飾る慣習があります。

 

葬儀会場などの入口に門樒(かどしきみ)祭壇の後ろ両脇に二天樒(にてんしきみ)を飾ります。こうして樒で会場を囲むことで、故人を邪気から守るという意味があるようです。

 

関東では参列者から供花や花輪を送るのが一般的ですが、関西では門樒を並べるのが慣わしとなっています。関西地方や西日本では、この門樒は供花や花輪より丁寧なお供えであるとされているのです。

 

しかしながら、最近では葬儀会場の規模や制約などから大きな樒を並べることが難しいため、紙に名前を書く紙樒板に名前を書く板樒が主流となっています。

 

近年、関西地方では、特に都市部を中心に香典辞退するケースが約8割ともいわれています。それは、家族葬が増えたことやお返しに手間がかかるなど、さまざまな背景があるようです。

 

香典辞退が一般的になってきた関西での葬儀では、お香典の代わりに「樒代」が必要なケースもあります

 

紙樒や板樒の慣習がある地域では専用の受付があり、2〜3,000円ほどの樒代を納めると名前を書いた紙や板が会場の入口などに貼り出されるというもの。

 

樒代は強制ではなく、もし納めたとしてもお香典ではないため香典返しもありません。

 

関西での葬儀に参列する場合、門樒を供えることができるのか、紙樒や板樒の慣習があるのかを事前に確認すると良いですね。

 

地域や宗派によっても独自の風習があるため、心配な場合には信頼できる地元の葬儀社に相談してみることをおすすめします。

 

・供養での使われ方

先述したように、樒には強い香りと毒性があります。

 

かつて土葬が一般的だったころ、獣が遺体を掘り起こすのを防ぐためや臭いを独特の香りでわかりにくくするためなどに樒が使われていました。

 

その名残りで現在でもお墓参りには樒を持参し、虫や動物を寄せ付けずお墓を浄化し水を長持ちさせるなどの目的で、お墓にお供えすることがあります。

 

また、宗派によっては仏壇のお供えに樒を使うこともあるようです。

 

葬儀のしきたりで困ったら、さがみ典礼にご相談下さい

「関西の親戚や知人が亡くなり、葬儀の連絡をもらった」という方は、樒についてよく分からないものの、まわりの人にも聞けず困っていらっしゃるかもしれません。

 

分からないまま葬儀に参列するのは不安や心配な気持ちが残るため、事前に勝手を知っておき故人と落ち着いてお別れできるよう、地元の葬儀社に相談するのも良い方法です。

 

関東・東北エリアで地域密着の葬儀を60年以上・年間40,000件以上承っている「さがみ典礼」では、豊富な地元での経験と実績に基づき、故人およびご遺族のご意向に寄り添い、地元の慣習に倣って、樒や花輪などしきたりの分からない地域の葬儀についても落ち着いて参列できるようお手伝いさせていただきます。

 

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